粘着研究会
粘着研究会 産学協同研究
粘着研究会 産学協同研究 第 9 期 参加募集案内
主催 一般社団法人日本接着学会 粘着研究会
粘着研究会は日本接着学会の分科会であり,法人会員54社,個人会員29名の規模の研究会で,年6回の例会と記念セミナーの開催,産学協同研究と国際交流の活動,資料集を発刊しております。
本研究会は事業のひとつである産学協同研究において,これまで8期 延べ16年間,表面及び界面層の解析,粘着製品の評価方法等をテーマとして研究活動して参りました。
2026年5月より第9期として『粘着力(タックを含む)の発現機構における材料特性と界面特性の関係』『剥離・タックで観られる粘着剤の動力学特性』『粘着特性の評価と試験・計測の信頼性』の各グループへの参加募集を致します。さらに,第8期までは粘着剤の主剤に用いるポリマー構造(分子量・分布・分岐等)に関する研究は一時中断しておりましたが,改めてG3としてアクリル系粘着剤・ゴム系粘着剤の主鎖,側鎖の効果や,例えば薄膜塗布されたシートの分子構造等を化学的な理論に基づいて考察し,機能性を問われる粘着製品開発の参考となるグループ『アクリル系粘着剤・ゴム系粘着剤の表面解析と構造制御』を新規に設定致します。
第9期も引き続き各グループのテーマに関し産学協同研究にご参加頂ける企業を募集致します。
研究テーマ
G1『粘着力(タックを含む)の発現機構における材料特性と界面特性の関係』
研究主幹 東京科学大学 物質理工学院 扇澤 敏明 先生
G2『剥離・タックで観られる粘着剤の動力学特性』
研究主幹 早稲田大学 理工学術院先進理工学部 物理学科 山崎 義弘 先生
北海道大学 工学研究院 機械宇宙工学部門 高橋 航圭 先生
G3『アクリル系粘着剤・ゴム系粘着剤の表面解析と構造制御』
研究主幹 東京大学 大学院工学系研究科 川口 大輔 先生
G4『粘着特性の評価と試験・計測の信頼性』
研究主幹 東京科学大学 環境・社会理工学院融合理工学系 因幡 和晃 氏
G1 研究テーマ『粘着力(タックを含む)の発現機構における材料特性と界面特性の関係』
目的:どのような特性を有する物質が"タック(初期粘着力)"を発生し,粘着剤としてふさわしいかについての指針を得るために,粘着剤の変形機構と材料特性および表面・界面特性・挙動との関係を明らかにする。つまり,“べたつき”発現の本質を探るための一助となる研究を行う。さらに,粘着付与剤(タッキファイヤー)の役割についても,明らかにしたい。
・ゴム+タッキファイヤー混合系における表面・界面特性,粘弾性(運動性)の測定
・ボールタックなどによる初期粘着力の測定
・原子間力顕微鏡(AFM)によるフォースカーブ測定などから粘着関連特性の評価。
・タックの発生機構と同様の測定に加えて,タッキファイヤーの偏析の測定
・タッキファイヤーの“べたつき”増加効果の解明
・モデルの構築により,“べたつき”の本質を探る
G2 研究テーマ『剥離・タックで観られる粘着剤の動力学特性』
目的:力学(mechanics)および動力学(dynamics)の観点から,剥離強さ・タックに対して粘着剤の変形(特に,糸引き挙動)が及ぼす影響を,産学で協力して明らかにする。本研究の基本方針は以下の通りである。先ず,研究対象とする粘着剤を選定し,粘着テープ試料を作製する。そして,粘着剤の弾性率・厚さ,剥離速度 ・角度といった物理的条件の依存性に着目したテープ剥離・タック測定を行い,剥離時における粘着剤の変形挙動を観察し,動画解析を行う。さらに,測定・観察・解析結果に対して,非線形動力学・材料力学に基づいた考察を行う。第9期での具体的な実施事項は,参加メンバーで議論して決定するが,参考までに,第7期で実施した内容を項目として挙げる。
・種々のタッキファイヤーを添加した粘着剤の合成
・合成した粘着剤の動的粘弾性測定,粘着テープ試料の作成
・作成した試料の応力-ひずみ曲線測定,タックカーブ測定
・剥離速度・剥離角度に依存したテープの剥離強度測定
・テープ剥離,プローブタックにおける粘着剤の変形挙動観察
G3 研究テーマ『アクリル系粘着剤・ゴム系粘着剤の表面解析と構造制御』
目的:環境配慮により粘着剤は無溶剤塗布やエマルション塗布を検討する製品設計が進んでいますが,従来の溶剤系の粘着剤とは異なる表面状態やバルクの構成であることが予想されます。一方環境配慮はエネルギー削減にも関係することより,薄膜塗布製品も同様に検討され要求される技術レベルが急激に高まっています。3Gでは,アクリル系粘着剤・ゴム系粘着剤の薄膜における主鎖,側鎖の効果や,シート化後の分子構造等を化学的な理論に基づいて考察し,機能性を問われる粘着製品開発の参考となる表面解析と構造制御を検討します。
・分子量(分子量分布)と薄膜塗布の粘着力評価
・厚膜,薄膜塗布のXPS,SPM(AFM)を用いた表面解析
・薄膜を考慮したガラス転移温度と粘着力の検討
・薄膜の評価方法(粘着物性)
G4 研究テーマ『粘着特性の評価と試験・計測の信頼性』
目的:本グループでは,粘着特性評価の信頼性向上を目的として,剥離挙動と試験条件が測定結果に与える影響を力学的観点から検討する。粘着剤の厚さ,剥離速度,剥離角度などを変化させた試験に加え,高速度カメラによる剥離過程の可視化や試験治具のプロトタイピングを通じて,粘着現象を「見える化」しながら理解を深める。これまで共通試料を用いた測定比較により,試験条件や装置差が評価結果に与える影響を整理してきた。第9期では,プローブタック試験と指タック試験を通じて,人が感じるタック感と力学的評価の関係を探り,実務に役立つ粘着特性評価の考え方を議論する。
・粘着特性の信頼性評価
・プローブタック試験の力学的評価
・高速度カメラによる粘着・剥離現象の理解と見える化
応募資格:粘着研究会法人会員
募集人員:法人企業(何社でも可)
応募締切:2026年6月19日(金)
申し込み用紙を記載後、下記アドレスまでメールにてご連絡下さい。
psa@adhesion-psa.sakura.ne.jp
研究期間:2026年6月~2027年5月までの2年間
学会発表:粘着研究会内で申請承認後,一般の学会等での発表を認める。
問い合わせ:
〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1
東京大学大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 生物素材科学研究室内粘着研究会
以上