会長のあいさつ

会 長 竹村 彰夫  平成28年6月17日の第6回定時社員総会終了後に開催されました第27期第1回理事会において、定款に基づく互選により第19代会長に選任されました。
 宮城副会長、扇澤副会長、岸副会長と共に、今後2年間、各支部、各研究会、事務局と連携を取りながら協力して接着学会を運営していくこととなります。大変名誉なことではありますし、私がその職に相応しい人材かどうかは分かりませんが、選任された以上、全力でその職務を全うしたいと考えております。

 さて、学会の運営はその定款に基づいてなされるべきことは明白ですが、改めて学会の目的を定款の中から拾ってみます。

 第4条 本法人は接着・粘着及び接着剤・粘着剤に関する科学の進歩と技術の向上、普及に寄与することを目的とする。

 第5条 本法人は前条の目的を達成するため次の事業を行う。
(1)討論会、研究発表会、研究会、講演会なとの学術的会合の開催。 (2)講習会、見学会なとの開催。 (3)学会誌及びその他の図書の刊行。 (4)研究及び調査の実施並びに受託。 (5)研究の奨励及び研究業績の表彰。 (6)内外の関連機関等との交流及び協力。 (7)その他、本法人の目的を達成するために必要な事業。

 つまり学会とは会員の皆さまから会費を頂いて、上記サービス(事業)を行う場所であります。サービスが会費に見合わないレベルであれば、会員は離れていくでしょう。ですので、先ずは最低限の会費で最大限のサービスが得られるように努力するということが私たちに与えられた使命と考えています。

 十分なサービスを行うためには学会の財政基盤を確固たるものにしなくてはなりません。幸いにも学会の財政状況はこの数年の間に確実に向上しております。これは越智前々会長、中壽賀前会長をはじめとした執行部の努力の賜物であり、ここに深く感謝と敬意を表したいと思います。ただ、現在のこの財政基盤は事業に頼っているのが現状であります。事業収入は日本あるいは世界の経済状態に左右されやすいのが実情であり、例えば昨今の英国のEU離脱により、円高等のため企業の収益が減り、英国に基盤をおいてEUで活躍している日系企業にとっては先行き不安な状態です。今後の日本の経済状況により、学会も今まで通りの事業収入が見込めるかは不透明な状況であると言えます。やはり、学会の財政基盤は会員からの会費収入であるべきです。

 しかし、学会の基盤である会員数は減少傾向にあります。これはどの学会も同じで会員数が右肩上がりで増大している学会などほとんどありません。会員数が減れば会費を値上げする必要に迫られる可能性もあり、それでは上記の最小限の会費で最大限のサービスといった学会運営の理念からも外れてしまいます。会員を増やす術が必要です。幸いにも接着科学は色々な学問と界面で?がっております。例えば、関東支部は生体接着研究会を立ち上げ、その分野の研究者を学会に取り込むべく努力をしております。このような今までに無かった学問領域を学会の一分野とするべく、執行部は検討していこうと思っておりますので、各支部、各研究会、あるいは一般の会員の皆さんのご協力をお願いしたいと思います。また斬新なアイデア等がございましたら、是非事務局までお願いいたします。

 その他の財政基盤安定に向けては、事務局の効率化を考えたいと思っています。事務局は前事務局長がお辞めになって以降、様々な改革を経てかなり良くなってきたと感じています。ただ、今後10-20年を考えると、本当にこのままで良いのかどうかを再度検討してみる必要があると考えています。例えば業務の一部をアウトソーシングすることが必要か、またそれが可能か、あるいは全く必要ないか等の検討をすべき時期がすでに来ていると考えています。

 学会の国際化に関しては2014年に国際接着会議(WCARP-V)を奈良で開催し、多くの経験を得ることが出来ました。また今年の6月にはACA2016(アジア接着会議)を年次大会と同時開催しました。この11月には粘着研究会が、粘着テクノフォーラム(IPSAT2016)を開催予定です。IAS’94以来、日本接着学会は国際的にも大きく進化しています。今後も日本接着学会は2018年2月にアメリカのサンディエゴで開催されるWCARP-VIを始めとして、EURADHやCIB等、世界の接着シンポジウムに積極的に参加していくつもりです。学会員の皆さまにも積極的に参加していただくことをお願いする共に、特に次代を背負う若手・学生の参加をお願いいたします。外国で発表する学生に対する学会の補助も続けて参ります。

 以上、会長として現在考えていることをいくつか述べさせていただきましたが、新執行部で議論しながら、新しい方向性を模索していくつもりです。会員の皆様にはこれまで以上のご理解とご支援・ご協力をお願いいたします。

学会概要