会長のあいさつ

会 長 竹村 彰夫  

第20代会長を仰せつかって
5・4・4・3・2・2・1

 平成30年6月14日の一般社団法人 日本接着学会の第7回社員総会に引き続き開催された第28期理事会において,定款に基づく互選により第20代会長に選任されました。改めて神戸大学の西野 孝と申します。扇澤副会長,岸副会長,秋本副会長と共に,今後2年間,日本接着学会の運営を仰せつかります。日本接着学会は接着・粘着及び接着剤・粘着剤に関する科学の進歩と技術の向上,普及に寄与することを目的として設立された学会です。そしてこの目的に賛同いただいた皆様が参集することで,一般社団法人として成立しています。したがって,この目的を満たすべく奮闘努力するのが私ども執行部に課せられた使命と心得ます。翻れば50周年を前にして,副会長を仰せつかっていた時期に,学会は極端な財政難に陥っておりました。しかしながら,その後,越智元会長,中壽賀元会長,そして竹村前会長並びに当時の関係の皆様,事務局のご尽力で,幸いにも財政基盤が大きく改善されました。皆々様に改めて御礼申し上げます。引き続き,絶え間なく合理化,経費削減を推進することが必須です。それとともに,営利企業ではなく,法人としての学会に集っていただいている会員の皆様に,「あそこ行ったら,おもろいで」,「役に立つやん」と言っていただける姿,そして新たな仲間に集っていただくことが学会として使命と考えます。 そこで,会長就任にあたって,次のような5・4・4・3・2・2・1という目標を掲げたいと思います。

  目下,日本接着学会には4つの支部(北から東北,関東,中部,関西)があります。これらのうち,関西支部は九州・沖縄までの西日本全体をテリトリーとしますが,余りにも広い範囲と言わざるを得ませんでした。そこで,より一層のきめ細やかな会員サービス,新たな会員の獲得のため,再編を進め5つの支部体制にできればと考えています。

  接着は広範囲の科学,技術に立脚した現象です。特に日本接着学会では広義の化学,機械工学,林産学,バイオ・メディカルを4つの柱として行きたいと考えます。現在の会員分布などを拝見した場合,必ずしも均衡とは言い難いですが,これら4本柱があっての学会です。

  日本接着学会には4つの研究会,構造接着研究会,粘着研究会,次世代接着材料研究会,接着界面科学研究会(設立順),が存在します。いずれも接着を支える重要な部門において,各部門に特化した,“ならでは”の活動をお願いしています。今後も引き続きより一層の研究会の活性化が,ひいては日本接着学会全体の発展に重要となります。

  一口に産官学と言いますが,特に産業界の皆様のご参画の多いことが日本接着学会の大きな特徴になっています。したがって,単に接着をサイエンスする,逆に,単にくっつけばそれでよい,ということだけではなく,産業界からのニーズに応えた活動の活性化を推し進めます。

  学会と言えども,組織は人と人とのさまざまなつながりが要となります。分野を超えた水平な人のつながりのために学会という場を利用していただけるようにすることが重要となります。そのためには,接着剤を作る人と,接着剤を使う人のつながりの場としての日本接着学会の在り方を進めていきたいと思います。そして,それだけでなく,世代を超えた縦のつながり,次世代の接着を担う人材の育成が学会の課せられた大きな使命です。50周年記念事業での醵金を資として,若手海外派遣を実施しています。接着若手の会の活動の輪が益々広がるための仕掛けを進めます。

  接着はむろん世界中で日常生活の中で,産業としてさまざまなかたちで実施されています。人口減少が著しい日本の中での発展には限界があります。本邦の英知を結集した接着の科学と技術は世界に伍した,いやむしろ世界を凌駕したレベルにあることはWCARP-Vで示されたところです。その状況は2018年のWCARP-VIでも確認できています。むろん各国も頑張っていますので,ぼやぼやとはしておられません。接着に特化した国際会議としても欧州ではEURADH,アジアではACAが開催されます。ときは今,世界に打って出ようではありませんか。そんなとき,日本接着学会がお役に立てるようにできれば幸いと思います。

 上で掲げた目標のためには,優秀な事務局とともに,日夜の地道な活動を弛まず行うことがまず第一となります。ただ,それにも増して,学会に関わる皆様の英知を日本接着学会というつの場に結集して,「接着」でおもろいことをしていきませんか。
 皆々様のご指導,ご鞭撻をより一層賜りますよう,ご支援・ご協力の程,宜しくお願い申し上げます。

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