会長のあいさつ

会 長 宮代 善一  

第29期会長就任挨拶

 このたび、第29期第1回理事会において、定款に基づく互選により第29期会長に選任されました。会員の皆様にご挨拶申し上げます。歴史のある日本接着学会会長という重責を仰せつかり、責任の重さ感じているところですが、副会長として選任されました、松本副会長、秋本副会長、永田副会長と共に学会運営を務めさせていただきます。

 今期は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大の影響を受け、事業の中止・延期を余儀なくされている状況下で活動が始まりますが、「ニューノーマル」や「新しい生活様式」への変化と言われるなか、学会においても、その役割、事業の在り方を改めて考える機会になると思っております。

 学会について、前身の接着協会創立20周年記念号には、第2代会長の畑敏雄先生が「多くの研究者によって(大学とは限らない)つい近い昔まで応用技術としか見られなかった接着が、科学の域にまで高められ、深められて来たと思います。その結集の場を作ってきたこと、それによって接着科学の基礎を作りつつあること、そのことが日本接着協会の最大の成果であると、私は考えている。」と寄稿されています。

 現在の接着学会は、接着現象を科学的に解明し、新たな接着機能を創生し、その成果を活用した新たな接着技術の開発や製品の実用化に繋げる研究成果を共有し、そして活用、議論ができる場となっていると理解しております。最近の産業界におけるものづくりの場を見ると、設計・開発の高度化・効率化や製品の機能向上への寄与など、益々接着技術の活用の場が広まっていることを感じます。それにともない、科学的根拠の確立や新たな接着機能の創生など、新たな研究の展開も求められますので、これからも多くの研究成果が集まり、知の創造、知の共有ができ、さらに成果を社会に発信できる場となるよう、会員の皆様と議論を重ねながら学会の活動に取り組みたいと思います。

 そのためには、年次大会の開催、各研究会の活動、学会誌・技術誌の発刊、そして各種事業の実施が重要な活動になります。これらの活動支えつつ学会活動を展開する上で、執行部として次の取り組みを今期の重点活動として考えております。

1. 事業のデジタル化
 現在の対面による講習会、セミナーが実施できない状況を踏まえ、今後の事業の在り方を検討し、新たなコンテンツとその実施システムの構築を試みます。

2. 若手の会の活動支援と将来の学会を見据えた議論
 接着分野の研究者、技術者、そして学会運営に携わる人材の育成も含め、将来の学会の充実、発展につなげる将来構想の議論の場も必要と考えております。その議論の中心となる若手の会の活動を学会全体で支援します。今までの独自の活動に加え、次世代の顔が分かる全体研究交流を促進して頂きたいと思っております。

3. 学会の広がりへの取り組み
 今後の学会の発展を考える上で、他の学協会や工業会との連携は大事な取り組みであると考えます。既に前期に取り組みを開始していますが、他学会との合同事業の開催や工業会の標準化事業への関りなど取り組みを継続し、その成果の積み上げに努めます。

4.支部活動の支援
 西部支部の活動が本格化し、これで5支部体制となり全国を網羅し学会活動の展開が可能になります。新しい支部の活動を支援しつつ、各支部から発信される情報の新たな共有方法の取り組みを支援します。

 この他、長年培ってきた国際交流活動の継続も必要ですが、今年は韓国で11月にACAの開催が予定されているものの、ほとんどの国際会議が中止または延期になるなど対面での交流機会が出来ない年になっています。ここでも今までと違った方国際交流の方法を模索することになります。 さらに、学術団体としての学会の活動、社会的役割を大きな枠組みで捉えたとき、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標)」SDGsの世界的大きな取り組みの中で、学会としての関わりを考えることも必要なことかと思います。

 学会運営に関しては、その変化を大きく実感することは難しいと思いますが、ここ数期の執行部の取り組みを振り返りますと、財務の安定化・健全化が図られ、研究・事業活動、国際交流の活性化、学会の広がりへの取り組みなど確実に変化しています。これらの実績を積み上げて頂いた歴代会長、執行部ならびに関わって頂いた皆様に感謝しつつ、今期は継続と発展を意識し、将来を見据えてさらに学会が前進できるよう執行部、理事会とともに一体で務める所存です。会員の皆様には引き続きご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。

 そして、言うまでもなく会員のための学会ですので、多くの活動に積極的にご参加いただき、学会を活用して頂きますようお願いし、就任の挨拶とさせていただきます。

学会概要